■デジャブ(デジャビュ)いう言葉がある。元はフランス語らしいが、心理学では
昔から有名で、既視感と訳されることがある。早い話は、初めてなのに見たことが
あるなという感じだ。この反対語はあまり知られていないが、ジャメビュという。
(Deja Vu)筆者など市内を車で運転して、走り慣れた道なのに瞬間「あれっ、
この道は初めてかな」という気がすることがある。
■ビデオ屋でビデオを借りるとき、初めてだと思って借り、見ているうちに初めて
ではないと気づくのはたびたびある。妻は記憶力がよいので、借りる前に妻にも
確認することにしていた。でも妻も忘れてしまっていることがある。一方、
あまり感銘を受けなかったのか、妻が忘れているビデオを逆に、筆者が見た
ことがあると指摘することもある。
■見終わったビデオのリストを整理しておきたいと誰しも思うだろう。筆者が
20年以上使ってきたシステムはこうだ。新聞の番組案内を切り抜いて53カード
に貼り付けるだけ。できるだけ手間暇をかけずに、しかも汎用性を持たせたいと
考えた。情報処理をするわけではないから、京大カードを使うのは大げさ。
カードは、アイウエオ順に箱に入れる。妻も筆者も映画が好きだから、長い間
にはボックスは三つ必要になった。カードはいつしか千枚くらいに達している。
■長らく愛用してきたこの方法で、一つ困ったことが出てきた。ビデオ屋を
使うようになって、店先では手元にボックスがないからだ。毎度ボックスを
持参するわけにはいかない。いきおい記憶だけに頼ることになる。すると
冒頭に述べたジャメビュ現象に悩まされることが頻発する。それだけでなく、
何度もビデオ屋で、ビデオカバーを見ているうちに、これはすでに観たことが
あるんじゃないかという気がすることが出てきた。デジャブ現象まで現れたのか。
■久しぶりに整理法の本を読みあさった。二十年も昔の梅棹先生の時代は
紙で整理するのが唯一の方法だった。今はデジタルというか電子化の時代。
まずはパソコンでリストを管理するというやり方が考えられる。でも、ビデオ屋
にパソコンを持っていくというのはやはり無理がある。ノートパソコンなら
おかしくはないが、それでも大げさだ。そこで考えたのが、PDAを利用することだ。
ビデオの題名くらいならアドレス帳に全部はいるのではないか。そこでS社製の
クリエというモデルを買ってみた。
| ■PDAはなんと言ってもその 携帯性がよろしい。ただし文字の 入力は携帯電話よりはましだが、 まともにつきあう気になれない。 そこでビデオ・リストのオリジナル・ データ・ベースをエクセルで作る ことにする。クリエにはウィンドウズ のアプリケーションで作成した データをUSBケーブル経由で クリエに転送する(インポート) 機能がある。エクセル・シート上 では題名、すでに見たかどうか、 内容紹介、評価レベル、コメントの 欄をもうける。ただしPDAのメモリ (ユーザー使用可能領域)は 15MBしかないので、転送する のは題名と見たかどうかだけにする。 |
■このやり方で、現在1200件あまりのデータを蓄えた。他人には全く意味の
ないデータではあるが、妻と筆者には大切なデータ。週末に2本見るとして、
1年で見られるのは100本。去年アメリカだけで製作された映画は420本だ
という(世界の映画事情)。どれほど映画が好きでも、一人が見られる映画の
量より、全世界で製作される量の方が圧倒的に多いと言うことだ。従って、見る
以上は厳選して、二度見る愚は避けたい。
■今筆者は「愚」と言ったが、本当に愚かどうかは別という考え方もあるかも
しれない。リストから漏れており、二度見たことを思い出して、でも面白くてまた
見てしまうと言うことはある。リスト至上を唱えたとしても、こういう遊びは当然
あって良い。
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