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ナバホの揚げパンとあの女性

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■その女の人は店の前に行くといきなり、おばさんになにやら親しそうに話しかけた。
■「ナバホの揚げパン」なるものがガイドに出ている。モニュメントバレーの宿では食べる機会がなかった。ここフォーコーナーズの周囲にある売店で、偶然に見つけ、注文。しばらく待てと言う。
■年は四十代前半、背は170センチくらい、大きな胸とすらっとしたジーンズの白人。金髪で、ブルーの目、絶えず浮かべる笑顔がきれいだ。
■三メートル離れたテーブルには旦那?が座っている。六十代、はげており、サングラス。気むずかしそうな顔。
■「エッフェヘー」おや、ガイドに書いてあったナバホ族の挨拶だ。「アリガトウ」という意味だが、その発音が難しいと解説があった。こんなところで実例を見るとは。おばさんが、小屋の中から、少し発音を訂正する。すると、彼女はまるで自分に言い聞かせるように、何度も発音し直す。
■彼女の去った後、できあがったパンをおばさんは無言で差し出す。「えーっと、何て言うんだっけ」、おじさんは発音する機会なく、無言で受け取る。
■乾いた空気、青空に浮かぶ雲、それにあの女性の笑顔。


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